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2021.12.07

【医療接遇とは】接遇と接客マナーの違いを知り、院内の雰囲気を向上しよう

接遇と接客マナーを知るところから始めてみましょう

医療接遇という言葉はご存知でしょうか。

医療接遇は、接客サービスと同じような意味として捉えられることも多いですが、実際には細やかに違いがあります。

今回は、医療接遇とは何かについて解説し、接客マナーとの違いもお伝えいたします。

医療接遇とは?

医療接遇について、誰にでもわかりやすいように解説しましょう。

医療接遇について

医療接遇とは医療現場に特化した接遇のことで、病院やクリニックに足を運ばれた方々が抱える不安や診察前の緊張感に対する気配りや心づかいのことをいいます。

また、患者様だけでなく付き添いのご家族の方や支援者の方々への理解や説明の仕方などに対しても最善の配慮を配ることです。

医療接遇は、なぜ重要なのか

医療接遇は、なぜ重要なのでしょうか。実際に、医療現場でのトラブルは窓口対応や手続きでの対応にまつわるケースが多いとされています。

病院やクリニックの窓口となるスタッフも、医療従事者の一員です。病院やクリニックに足を運んだ方と一番最初に顔を合わせ緊張を解きほぐす非常に大切な存在となります。そんな、スタッフのみなさんが「医療接遇」を身に付けておくことはとても大切なこととなります。

【医療接遇とは?】医療接遇と接客マナーの違いについて

医療接遇と接客マナーは似て非なるものとなり、正確には医療接遇の中に接客マナーがあるといっても過言ではありません。

それぞれの違いを、理解しやすいように図にしましたのでご覧ください。

◇医療接遇と接客マナーについての違い

医療接遇接客マナー
身だしなみ
・清潔
・安全
・機能的

などといった、医療保全やリスク管理が重要

清潔感を保つ
相手により良い印象を与える

言葉遣い

・患者様や来院者の方々に見合った言葉遣い
・敬語を含めた言葉の使い分け
・寄り添う言葉がけ  など



・明るく穏やかでより良い印象を保つ
・敬語の知識がある   など

挨拶・表情・相手の状態に寄り添った表情を
・けして笑顔だけとは限らない

・明るさや朗らかさを心がける

心配り・相手の症状や心的なものに対する主体的な心配り

・規律やマニュアルに準ずる心配り

スキル・看護師との連携
・業務上のスキル
・待合室の状況把握 など
・マニュアルに準じた対応
・素早さや業務上のスキル  など

医療接遇で大切なポイント3つ

医療接遇で大切になってくる、ポイント3つを解説しましょう。

医療接遇のポイント①:寄り添い感

医療接遇では「寄り添い感」がとても大切となります。

一般的なサービス業のような「お客様満足度」を目標とした接客とは少し違います。医療現場に必要な接遇のポイントは病院やクリニックに足を運んでくださった方々の不安を和らげ、悩みを緩和することを目的としています。

病気を抱えた方々や、診断・診察前のご家族の方の多くは、院内の待合室で多くのストレスを抱えています。こうした負の気持ちに寄り添うことが、医療接遇の大切なポイントとなります。

医療接遇のポイント②:対等な関係

医療接遇では「対等な関係」も、とても大切となります。

医師・看護師・医療スタッフは、患者様より上でも下でもありません。医療現場で従事する側と病院やクリニックに足を運ぶ方々とは「治療する側」と「心身に問題を抱えている側」として対等な立場にあります。

患者様やご家族の方が抱える不安からくる「医師に従わなければ」といったような緊張感を取り払い「何でも安心して話せる場」「相談できる場」を創り出す、対等な関係作りも医療接遇の大切なポイントです。

医療接遇のポイント③:心配り

医療接遇では「心配り」も、とても大切です。

特にアイコンタクトや言葉遣いは、患者様に対する医療接遇の最も重要なしぐさです。

相手に威圧感を与えず、寄り添い理解していることを伝えるようなアイコンタクトや、丁寧語・謙譲語・尊敬語を必要に応じて使い分けた言葉遣いは、足を運んでくださった患者様の心の緩和にも繋がります。

医療スタッフよりも、患者様の方が年配のことも多い日本の人口構造です。言葉遣いひとつでで、お客様が安心感をもって心を開いてくださるか、不安を強く感じてしまうかが大きくかわる場合もあります。

また、日本医師協会の提示する「木目細か医療」をテーマにした心配りについても紹介しておきましょう。

き……気配り
め……目配り
こ……心配り
ま……真心を込めて
か……考える

引用:日本医師協会「医療従事者のための医療安全対策マニュアル」より

医療接遇は、この3つだけに及びません。しかし、こうしたことを意識しながら医療接遇として頂きたいと思っております。

医療接遇を取り入れることで、変わりゆく院内のようすやメリット

では、医療接遇を学び取り入れることで、どのような効果があるのでしょうか。

取り入れることでまず最初に気が付くのは、院内のようすがより良い方向に変化していくことです。

院内環境が良くなれば、数多くの相乗効果がもたらされるために「医療接遇」は、近年とても注目を浴びています。特に、効果を感じられるの主に以下の3つ。

  • 当院に期待を寄せてくる方の増患
  • 増患による増収
  • 離職率の低下

詳しく解説しましょう。

当院に期待を寄せてくる方の増患

医療接遇によって院内の雰囲気が良くなれば、街の口コミも良くなります。

インターネット社会でもあるため、口コミは一目散に広まりをみせます。口コミから期待を寄せて、当院(自分のクリニック)に訪れてくれる人が増えれば新規の患者様が増え、ますます評判は良くなるケースが多いものです。

増患による増収

患者様がふえることで、増収にも繋がります。

収益があがれば、その収益を新たに院内の環境整備に投資することができ、より好循環な環境が生み出されます。医療接遇によって、好循環が生み出されることとなります。

離職率の低下

医療接遇は、スタッフ対患者様(ご家族や支援者様)だけの関係に及びません。院内のスタッフ同士の関係も良くなり、働きやすさにも繋がります。

働きやすい環境が整うことで、離職率の低下にもつながり安定した医療接遇を提供できるスタッフに恵まれることとなります。

医療接遇のメリットは、この3つだけではありません。非常に多岐にわたる効果を感じることができますが、今回はこの3つの効果を紹介させていただきました。医療接遇を身に付けることで、より豊かな過ごしやすさを生み出すキッカケとなります。

まとめ:【医療接遇とは】接遇と接客マナーの違いを知り、院内の雰囲気を向上しよう

今回は「医療接遇とはなにか」について、詳しく解説いたしました。

医療接遇は、患者様やご家族の置かれた立場や状況に配慮・想像し、寄り添う気持ちを行動にかえていく医療機関にはなくてはならない重要なものです。

サービスや接客の向上だけに留まらず、収益面や離職率・職場環境にまで効果を発揮します。

コロナ禍もあり、医療従事者の方々は本当に忙しく大変なことでしょう。そんな今だからこそ、医療接遇を身に付けてより多くの方が過ごしやすいクリニックを目指してみませんか。