2022.02.09
【医療接遇】クリニック受付の言葉遣いで大切なポイント4つ
医療事務として働く中で「受付での言葉遣いや対応に悩む」という方は、思いのほか多いものです。
医療接遇の視点では、言葉遣いが患者様の不安を取り除いたり信頼作りに繋がったりするためにとても大切になります。
今回は、クリニックの受付での言葉遣いについて詳しく解説します。さらに、クリニックの受付における医療事務の役割も紹介します。まずは「言葉遣いによって変化をもたらす、大切なこと」から学んでいきましょう。
医療事務の言葉遣いで変わる大切なこと
医療事務の方々が言葉遣いを丁寧に意識するだけで、さまざまな方面によい変化が生まれます。
- 患者様の安心感
- スムーズな対応
- スタッフの働きやすさ
【医療事務】言葉遣いで変わること①|患者様の安心感
1つ目は、医療事務の言葉遣いひとつひとつが「患者様の安心感」へと繋がります。
患者様の多くは診察室での待ち時間において「いち早く診察を受けたい」「診察が不安な」など、心許ないストレスを抱えている方が多いものです。待合室には、テレビや新聞・雑誌はありますが、これらが直接的にストレス緩和に繋がるわけではありません。
医療事務員が見える待合室は、患者様が一番長くいる場所です。ここでの過ごしによって患者様の心情は大きく変わります。
患者様の目の前にいる医療事務スタッフの穏やかで柔軟な配慮が、診察までのストレスを軽減に影響を与えます。その配慮のひとつとして、言葉遣いが大きなポイントとなります。
【医療事務】言葉遣いで変わること②|スムーズな対応
2つ目は、医療事務が丁寧な言葉遣いを意識することで、受付や問診・診察・会計などのやり取りを心地よくスムーズに行うことが可能となります。
それぞれの患者様に合わせた言葉を用いて対応することで、円滑なコミュニケーションをとることができます。
結果として、患者様のコミュニケーションの負担を軽減することにも繋がります。
【医療事務】言葉遣いで変わること③| スタッフ間の働きやすさ
3つ目は、 職場での丁寧な言葉遣いによって「スタッフ間の働きやすさ」へと繋がります。
医療接遇の視点でみると、言葉遣いは患者様のために施されているように感じますが、それだけではありません。相手を思いやった丁寧で分かりやすい言葉遣いによって、スタッフ同士のやり取りも円滑になります。
言葉は人と人との円滑な関係性を築くためのコミュニケーションツールとなるだけでなく、自分自身の内面への影響にも大きく変化をもたらします。
丁寧で穏やかな言葉を、自分自身との対話にも用いることができるようになれば、日々の考え方もよりよい方向へと変化するでしょう。自身の穏やかさは巡り巡ってプライベートの付き合いや職場での関係をよくしていくといわれています。
【医療接遇】クリニック受付の言葉遣いで大切なポイント4つ
医療接遇の視点における、クリニックの受付での言葉遣いで大切なポイントは主に以下の4つとなります。
- 表情
- 挨拶
- クッション言葉
- 相手に合わせた丁寧で分かりやすい言葉
詳しく解説しましょう。
①表情
接遇において「表情」は、とても大切とされています。
柔らかな表情を意識し「いつ話しかけて貰っても大丈夫です」と、無言でも伝わるような穏やかな雰囲気を作り出すことが大切です。
また、表情は「話し方」と連動します。柔らかな表情を意識することで、自然と柔らかで安心感を与える話し方へと変化します。それによって、患者様の心は解きほぐされコミュニケーションが円滑に進むようになるでしょう。
ただ、お話を伺う中で「ツラかったこと」「不安であること」を伝えて下さった場合には、相手にあわせてに寄り添うように表情もあわせて変える必要があります。
医療スタッフに傾聴してもらっていると感じた患者様は「もっと相談しよう」「これからもここのクリニックを利用しよう」と思っていただけるはずです。
表情と言葉は「自分自身の話し方」にも「患者様への寄り添い感」へも、大きく影響を与えあっているのです。
②挨拶
クリニックの受付だけに限りませんが「挨拶」は、その後のコミュニケーションを大きく左右するものとなります。
コミュニケーションを円滑に行えるかどうかの分かれ道になる場合が多いために、まずはスタッフの方から爽やかで朗らかな挨拶をしましょう。
主に、以下のことを意識して「挨拶」を心がけましょう。
- 相手の目をみて、朗らかな表情と声で挨拶をする
- 「私にいつでもお声がけください」と伝わるような、心の開いた態度を意識する
- かしこまり過ぎると、相手もかしこまってしまうために注意する
- 車椅子の方や怪我をされている方には目線の高さを合わせて挨拶(サポートの可否についても自然な形でお声がけしてみましょう)
目の前の仕事に集中していると、挨拶が雑になってしまいがちです。上記を意識して取り組むようにしましょう。
③クッション言葉
患者様への言葉遣いでは「クッション言葉」を取り入れることも意識してみましょう。
クッション言葉とは、頼みごとやお断りをする場合に一言添える言葉のこと。一言添えることで、より丁寧な言葉遣いとなり好感度の高い言い回しをすることが可能となります。
医療現場でよく使うクッション言葉を紹介しますので、参考になさってください。
- お願いをするとき・・・「恐れ入りますが」「お手数ですが」「お手数をおかけいたしますが」など
- 質問をするとき・・・・「差し支えなければ」「もし、差し支えなければ」など
◆使用例
お願いをするとき | ・お手数ですが、こちらの問診票のご記入をお願いいたします ・恐れ入りますが、保険証もご一緒に提示いただけますでしょうか |
質問をするとき | ・差し支えなければ、伺ってもよろしいでしょうか |
状況に合わせたクッション言葉を用いることで、機械的な対応から柔らかい対応へと変わります。いつもの言葉に一言添えているだけですが、印象は大きく変化し患者様の緊張や不安を和らげる効果もあります。
クリニック全体の好感度が良くなるために、ぜひ取り入れてみましょう。
④相手に合わせた丁寧で分かりやすい言葉
クリニックの受付では、相手に合わせた丁寧で分かりやすい言葉を使うようにしましょう。
医療現場では専門用語が使われることが多いものです。専門用語をそのまま患者様に使ってしまうと、耳慣れない言葉に冷たく感じてしまう方は意外と多いものです。
誰にでもわかりやすい言葉に言いかえたり、患者様によってトーンやボリューム・スピードを変えて話す心配りが患者様の安心感に繋がります。
「相手に合わせた丁寧で分かりやすい言葉を使うため」のポイントとして、注意すべき言葉遣いを紹介しますので、以下を参考にしてくださいませ。
- 医療従事者にしかわからないような専門用語は避ける(誰にでもわかるような言葉を選らんで話す)
- ご高齢の方にも、尊厳を損なわないような口調を心がける(親しみを込めた馴れ馴れしい話し方は避ける)
- 命令口調や上から目線の言葉遣いにならないように注意する
状況や患者様の体調に配慮した、穏やかな声で話しかけることが基本となります。
クリニックの受付で変わる、病院のイメージ
インターネット社会となり、病院側の評判も「インターネット内の口コミ」が大きく影響を与える時代となりました。
病院のイメージといえば、外観や医療対応などが重視されると考えてしまいがちですが、実は患者様が一番長く時間を過ごす待合室の過ごしも患者様のイメージとなります。
待合室で患者様と共に過ごす医療事務の仕事は、会計業務や窓口対応だけではありません。
- 患者様に、少しでも穏やかに待ち時間を過ごしていただくための心配り
- 診察を円滑に行えるために患者様の状況や要望などを、医師や看護師に伝える役割
- 診察状況の把握 など
より多くにアンテナを張っておくことで、医師や看護師が診察に集中できるようになり患者様の待ち時間軽減にも繋がります。
また、患者様も見通しをもって待ち時間を過ごしていただけます。長い時間をお待ちいただく場合にも、配慮によってストレス軽減にも繋がります。
このような接遇の視点が、クリニック全体のイメージを向上させることとなるでしょう。
まとめ:【医療接遇】クリニック受付の言葉遣いで大切なポイント4つ
今回は、クリニックの受付での言葉遣いについて詳しく解説いたしました。
医療接遇の視点における、クリニックの受付での言葉遣いで大切なポイントとして以下の4つを紹介しました。
- 表情(笑声)
- 挨拶
- クッション言葉
- 相手に合わせた丁寧で分かりやすい言葉
長引くコロナ禍によって、ストレスを抱えた方が多いのではないかと考えます。まずは自分から、ストレスを緩和できる接遇の視点を大切にしましょう。
仕事面だけではなく、きっとに暮らしもより良い方向へむかうこととなるでしょう。